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羽毛リサイクル
羽毛製品を循環させる日本独自のシステム“Green Down Project”

2019.08.30

かつては高級品で手が出にくかった羽毛布団やダウンジャケットも、ファストファッションの台頭などで我々の暮らしに一気に浸透した。しかし羽毛製品に使われている羽毛は限りある資源。ゴミとして焼却を続ければ今後の安定供給に影響する可能性もある。

今回ご紹介する一般社団法人Green Down Projectは、平成27年日本での羽毛製品の適正処理・再資源化システムの構築を目指し設立された。使われなくなった羽毛製品を回収して解体し、取り出した羽毛を精製した後に新たな羽毛製品へと生まれ変わらせる。

そもそも羽毛は食肉用に飼育された水鳥から得られる副産物だが、最近は鳥インフルエンザの脅威や世界的な食肉市場の変化などによって供給量が不安定になりつつある。しかも急激な需要増加を背景に羽毛採取のみを目的として飼育した水鳥にライブハンドピッキング(生きた鳥からの手採み)を行ったり、人体への影響が懸念される薬品を使用する例もあったりと問題も多い。

また廃棄された羽毛製品を焼却すると二酸化炭素が発生して環境に負荷がかかるだけでなく、新たな需要を生み出すことでさらなる命の問題が生まれてしまうのだ。

こうした悪循環から脱出すべく設立されたGreen Down Projectには、羽毛の再資源化への取り組みに賛同するアパレルや寝具メーカーを中心とした企業が数多く参加。羽毛の循環型ビジネスモデルの確立を目指している。

我々消費者がこのプロジェクトに参加するには、Green Down Projectのサイト(http://www.gdp.or.jp)から住んでいる都道府県を選び、最も便利な回収場所(現時点ではモールなどの店舗が多い)を探し、羽毛布団やダウンジャケットなどの羽毛製品(ダウン率が50%以上のもの)を持ち込むだけ。回収された羽毛製品は解体後、洗浄されて“Green Down”に生まれ変わる。

リサイクルされたダウンは品質が劣るイメージがあるが、羽毛製品は使用している間に羽毛同士が擦り合ってほぐされ、日々の温度や湿度の変化が加わることで油脂やほこりなどといった異物が自然と分離される。このため除塵、洗浄、乾燥を行えば新毛よりキレイな羽毛になるという。

洗浄後Green DownはGreen Down Projectのパートナーである製品生産企業(羽毛原料購入企業)へと渡り、同じくパートナーの企業で製造・販売される。

正直なところ持ち込むのはいささか面倒ではあるが、持ち込める店舗は全国に数多くあるので買い物のついでに立ち寄ればさほど苦にはならない。

羽毛製品を捨てることに抵抗があるのならぜひ参加してみたいプロジェクトだ。

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