Self-improvement 自分磨き

「ネンネンコロリ」より「ピンピンコロリ」PPKプロジェクト
●嗅覚と認知症

ニオイを感じない?それは認知症の始まりかも…

ダンディズム 2024.7.01

認知症と深い関わりがあるとされる「嗅覚障害」。中でも「アルツハイマー型認知症」や「レビー小体型認知症」は、発症前から嗅覚障害が起こることが多い。嗅覚の衰えを自覚することは、認知症の早期発見にもつながるのだ。

ひとの脳はニオイの記憶と深い関りがある海馬、扁桃体、嗅内皮質などの部位を経てニオイの種類を認識する。
ところがこれらの部位とアルツハイマー型認知症の初期に変化が起きる部位は重複することが多く、軽度認知障害(MCI)を発症する前から嗅覚障害は始まっていると指摘する専門家もいる。
実際アルツハイマー型認知症の人のほぼ100%に嗅覚障害があるという。
またレビー小体型認知症の診断基準についても『認知症疾患診療ガイドライン2017』(日本神経学会)は「嗅覚鈍麻」をあげている。
レビー小体型認知症は脳の神経細胞に「レビー小体」というたんぱく質の塊ができて発症するが、初期には嗅覚に関わりのある嗅球、海馬、扁桃体、嗅内皮質に塊ができ始める。つまりレビー小体型認知症も最初に現れるのが嗅覚障害なのだ。
嗅覚障害は加齢によって発症しやすくなるが、嗅覚の低下を自覚していない人ほど認知症を発症するリスクが高いと考えられている。
日本鼻科学会発行の『嗅覚障害診療ガイドライン』では「炊けたご飯、味噌、海苔、醤油、パン屋、バター、カレー、炒めたニンニク、みかん、イチゴ、緑茶、コーヒー、チョコレート、家庭ガス、生ごみ、材木、汗、糞便、花、香水」の20種類のニオイがわかるかどうかを診断基準にあげている。
気が付かないうちに嗅覚が衰えていないか、定期的にチェックするのも大切だ。
嗅覚の維持に必要なのは日頃から生活の中に漂うさまざまなニオイを意識すること。そしてニオイをしっかり吸い上げ、鼻の中の天井部にある嗅裂部の神経細胞にまで届けるよう意識することが有効だという。つまり嗅覚も筋肉と同じように刺激を与え続けることが大切なのだ。
噛む力や聴力の衰えが認知症のリスクを高めることは知られているが、嗅覚の衰えも見逃せない加齢症状のひとつ。早期発見で認知症予防につなげたい。    

 

 

 

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