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「ネンネンコロリ」より「ピンピンコロリ」PPKプロジェクト
●小腸と大腸と腸内細菌

腸内細菌も適材適所 小腸と大腸では 異なる細菌が活躍  

ダンディズム 2023.09.02

大腸に存在する腸内フローラが認知され始め腸内細菌への関心が高まっているが、小腸にも腸内細菌は存在する。 例えば善玉菌の「乳酸菌」は主に小腸、「ビフィズス菌」は大腸に存在しており、それぞれ異なった働きをしているという。 

乳酸菌とビフィズス菌は生育に酸素を必要としない「嫌気性菌」だが、酸素があるとほぼ生き残れないビフィズス菌に対し、乳酸菌はある程度酸素があっても生きていける。このため酸素がある小腸には乳酸菌が、酸素があまりない大腸にはビフィズス菌が存在する。 栄養素を体内に最初に取り込む小腸では乳酸菌は毒素を攻撃し、毒素が体内に入るのを阻止する、つまりこれが免疫機能のひとつだ。

 一方酸素がほとんど届かない大腸の最後部、S状結腸から直腸のみに生息しているビフィズス菌は乳酸や酢酸を生み出し、胃や小腸よりもアルカリ性に傾きやすい大腸を弱酸性に保っている。この働きのおかげで有害菌の繁殖が抑えられ、良好な腸内環境に整えられるのだ。

さらにビフィズス菌が生み出す「短鎖脂肪酸」は、大腸のぜん動運動の促進、腸管を保護する粘液の分泌、脂肪細胞への脂肪蓄積を抑制。つまりビフィズス菌が活性化すると肥満や糖尿病の予防も期待できる。 

では小腸と大腸それぞれの腸内環境を整えるにはどんな食事が良いのだろうか。

乳酸菌はヨーグルト、チーズ、みそ、キムチ、漬物などの発酵食品を食べれば増やせるが、ビフィズス菌の入った食品を食べても、その多くは大腸到達前にほとんど死滅する。ビフィズス菌を増やすには、ビフィズス菌のエサになりやすい食品を摂取するのが効果的だ。 

例えば「水溶性食物繊維」の多いわかめ、ほうれんそう、キウイや、「オリゴ糖」の多い ごぼう、玉ねぎ、バナナなどは毎日欠かさず食べるのが良い。 また、最近は酸に強いビフィズス菌も開発されているので、これらの入ったヨーグルトやサプリも効果的だ。 今流行の「腸活」だが、まずは乳酸菌とビフィズス菌を意識した食生活で小腸と大腸両方の腸内環境を改善していきたい。

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