Self-improvement 自分磨き
「ネンネンコロリ」より「ピンピンコロリ」PPKプロジェクト
●認知症予測
血液検査で20年後の
認知症発症リスクを予測
ダンディズム 2023.04.04
少しの血液採取で認知症発症のリスクがわかる検査サービスをNECのグループ会社がスタートさせた。発症のリスクを知ることで生活改善の動機づけになるのはもちろん、発症の初期段階で治療につなげやすいなど、さまざまなメリットが期待できる。
日本における65歳以上の認知症の人数 は約600万人(2020年現在)と推計され、 2025年には約700万人(高齢者の5人に1 人、国民の17人に1人)の発症が 予測されている。さらに厚生労働省の調査では介護が必要となった人の24.3%が認知症で、ほかのどの疾病よりも多い。
認知症を発症すると自分のQOLが下がるのはもちろん、まわりへの負担も非常に大きくなる。将来自分が認知症になるのかならないのか、これは本人と家族にとっても大問題と言える。
残念ながら認知症は現代医学では完全に予防しきれない病だが、発症をできるだけ先送りして健康寿命を延ばし、高齢者が自立した生活を長く送れるようにすることは可能になりつつある。
NECが100%出資する「フォーネスライフ株式会社」では、日本初の技術を活用して2020年に少量の血液で約7,000種類のタンパク質を一度に測定する検査サービスを開始。心筋梗塞や脳卒中、肺がんの将来の発症リスクに加えて20年後の「認知症の発症リスク」の可視化にも成功した。
認知症の発症は異常なタンパク質の蓄積が原因だが、同社では予測に必要な血液中の25種類のタンパク質を解析することで「発症リスク(%)」と「発症リスク倍率」を算出。
発症リスクが高い人には専用アプリで食事や運動などの改善を具体的に提案し、認知症の発症予防につなげていくサービスも行っている。
サービスは提携の医療機関を通して5~7万円(健康保険適用外)程度。すでに全国に拡大中で、今後は自治体に向けてもサービスを展開して健康寿命の延長による医療費や介護費の抑制を目指すという。
これまでいつ誰が発症するかもわからず、不安だけが先行していた認知症。しかし将来のリスクを具体的な数字として確認すれば生活習慣改善の動機づけにつながり、まわりもサポートしやすくなる。
できる限り健康寿命を引き延ばす……。超高齢化社会を迎えた日本の重要課題の解決に向けてさまざまなプロジェクトがすでに動き始めている。
●フォーネスライフ株式会社 https://foneslife.com/