Self-improvement 自分磨き

「ネンネンコロリ」より「ピンピンコロリ」PPKプロジェクト
●辛い症状を緩和
花粉症の救世主
「酪酸菌」

ダンディズム 2023.03.02

「酪酸菌」は人の免疫に深く関わっているとされる「酪酸」を腸内で生産する腸内細菌。酪酸菌を増やせば酪酸も増え、国民病と言われる花粉症やインフルエンザの症状緩和などが期待できる。

免疫細胞の約70%が集まった免疫系の要が「腸」で、食べ物の消化吸収と同時に口から入ってくる細菌やウイルスなどの異物の侵入を抑える働きがある。しかし何らかのきっかけで異常が起き免疫機能が低下すると、さまざまなアレルギーや感染症、がんなどの原因になってしまう。

花粉症や食物アレルギーは花粉や特定の食物をからだが異物と認識して生じる過剰な免疫反応が原因だが、この反応を抑える細胞を増やしてくれるのが「酪酸」だ。

さらにこの冬猛威を振るったインフルエンザも免疫力の低下が発症につながる感染症で、スイスとオーストラリアの共同研究チームが行ったマウスの実験では、インフルエンザの感染前から継続して酪酸を与えられたマウスは、ウイルスに対する防御機能によって症状が軽減されたと報告している。

また最近の研究では多発性硬化症や関節リウマチなど、深刻な自己免疫疾患を発症した患者さんの腸内細菌は酪酸の生産能力が健常者よりも低いことがわかっている。

さらに酪酸は大腸がんの予防や血糖値上昇の抑制にも効果があるというから、人の健康に及ぼす影響は想像以上だ。

これだけ万能となると酪酸菌を多く摂取して酪酸を増やしたいところだが、残念ながら酪酸菌はぬか漬けや臭豆腐などにしか含まれない。酪酸を増やすには酪酸菌のエサになる水溶性の食物繊維、例えば海藻類や果物類などを食べるのがおすすめだ。また酪酸菌のサプリメントも広く出回っているので、こちらを活用するのもいい。

こうした食生活の改善に加えて効果的なのが運動だ。からだを動かすことで、腸のぜん動運動が盛んになり便通や腸内環境の改善が期待できる。

これから花粉飛散のピークを迎えるが、花粉症などのさまざまな不調を回避するためにも、酪酸を意識した食生活と適度な運動を習慣化したい。

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