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「ネンネンコロリ」より「ピンピンコロリ」PPKプロジェクト
●最新ガン検診
最新ガン検診は
精度もさまざま
まずは正しい情報から
ダンディズム 2022.07.04
がんで最も重要なのは早期発見・早期治療。これまでは医療機器の先進化に重点が置かれてきたが、最近は尿や唾液を調べれば簡単にがんのリスクチェックができる検査法も登場している。
日本のがん検診は市町村などが行う「対策型検診」と人間ドックなどの「任意型検診」がある。対策型検診では市町村が無料か少額の自己負担で有効性が確立された検査法のみを行い、がんの種類も基本的には胃がん・子宮頸がん・肺がん・乳がん・大腸がんに限られている。
対策型検診だけでは不安な場合任意型検診をすれば良いが、検査法によっては高額でほとんどの場合全額自己負担となる。
できるだけ安価で気軽にがんの早期発見につなげようと、最近では自宅で尿や唾液を採取して検査機関に送るだけの検査も登場。こちらは費用も手頃なことから注目度も高い。しかしがんの有無を診断できるほど精度は高くないため、あくまでもがんのリスクチェックと捉えた方が良さそうだ。
一方費用は10万円以上とかなり高額だが一度の撮影でほぼ全身の診断画像を得られるのが「PET-CT」と「DWIBS(ドゥイブス)」。いずれも大きなドーナツ型のスキャナーに横たわって全身をくまなく撮影する最新の検査方法だ。こちらは病巣の有無を実際に画像で見てチェックできるので精度は高いが、検査の仕組みの違いからさまざまなメリット・デメリットがある。
がん細胞は正常な細胞よりもブドウ糖を多く消費する性質を利用したのがPET-CTで、ブドウ糖に似た検査薬を体内に投与して全身に行き渡らせた後に撮影を行う。検査薬が多く集まって白く見える部位が見つかればがんの可能性を疑うが、これが良性か悪性か、あるいは活性している細胞かどうかまで判断できる。
但し甲状腺がんや大腸がん、肺がんの早期発見は得意とされている反面、ブドウ糖の消費が少ない早期の胃がんや前立腺がんは発見しづらいというデメリットもある。
また糖の代謝を見る検査なので血糖値が高い人は診断精度が低くなるほか、投与する検査薬には安全性が確認されているものの少量の放射能が含まれていることも認識しておきたい。
一方DWIBSは最新のMRIを使用した検査で、体内の水が動く速度でがん細胞の有無を判断する。正常な細胞同士は間隔が広く水の流れも速いが、がん細胞同士になると間隔が狭くなって水の流れも遅くなるため、この速度の差からがん細胞を見つけるというわけだ。
DWIBSはPET-CTが不得意な前立腺がんの発見が得意なうえ、血糖値の高い人でも検査可能。被ばくがないうえ検査の時間も短いなどのメリットがある。
一方でMRI検査なので心臓ペースメーカーや人工内耳、金属プレートなどが体内に埋め込まれていると検査できないとうデメリットもある。
いずれの検査も高額なので、どちらが自分に適しているかを確認しておくことが大切だ。
「未病」の段階で見つかれば完治しやすいがん。対策型検診はもちろん自分に合った任意型検診を選んでリスクチェックを定期的に行なえばより安心して過ごせそうだ。