Self-improvement 自分磨き

「ネンネンコロリ」より「ピンピンコロリ」PPKプロジェクト
●肺活
肺を鍛える
「肺活」で
コロナ撃退!

ダンディズム 2021.12.01

コロナ禍で重要なのは筋トレよりも肺トレ。「最高の体調を引き出す 超肺活」(アスコム)を出版した小林弘幸氏(順天堂大学医学部教授)は、健康維持だけでなくコロナウィルスに罹患しないためにも肺を鍛えることが重要だとしている。

肺炎にはコロナのようなウイルスが原因のものや、肺胞を包んでいる間質という組織が炎症を起こして発症する間質性肺炎などがあるが、これらが重症化しやすい要因に肺機能の衰えがある。肺機能は20代から衰え始め、喫煙者では40代で急速に機能が低下。コロナの重症患者に喫煙者が多いのは、こうした肺機能の低下が要因だ。

人が呼吸をすると取り込まれた空気は喉から気管へ、さらに左右に枝分かれした気管支を経て肺へと運ばれる。肺の中にある気管支の先端にはわずか0.1ミリほどの「肺胞」が3億~6億個あり、二酸化炭素と酸素の交換を行っている。

肺胞から血液に取り込まれた酸素は腸から吸収した栄養と結合してエネルギーを生み出すが、肺胞が壊れると取り込む酸素量が減少して肺機能が低下する。

体内の酸素量が足りないと脳が認識すると、不足分を補うべくより多くの血液を送るよう命令するが、これが心臓や血管への大きな負担となり重症化につながってしまうのだ。

また肺機能が衰えると空気の通り道である気道に侵入した病原体や異物を粘液と共に喉の方へ押し出す「線毛上皮細胞」の運動も低下。病原体や異物をうまく除去できず免疫システムも機能しにくくなる。

ところが前出の小林教授考案の「肺活トレーニング」では、例え肺機能が衰えても呼吸筋を鍛えることで血液が取り込む酸素量が増やせるという。

そこで今回はその中から簡単なトレーニングを2つ紹介。

ひとつめはシンプルな呼吸法で①鼻から3~4秒で吸って、②口から倍の6~8秒かけて吐くというもの。起床時と寝る前に1分程度集中してやるだけで効果が出ると言う。

もうひとつは胸郭のトレーニング。

①足を肩幅くらいまで開いて真っ直ぐ立つ。②両手を頭の上に真っ直ぐ伸ばして手首を交差し鼻から息を吸いながら腕を上へグッと伸ばす。③手首を交差させたまま口からゆっくりと息を吐きながらからだを右方向にゆっくり倒す。④息を吸いながらからだを正面に戻し、今度は息をゆっくり吐きながら左に倒す。

これを5セット繰り返すと、胸郭を形成する僧帽筋、外肋間筋、横隔膜などに刺激が加わり、胸郭が開いて呼吸がしやすくなる。さらに呼吸がしやすくなることで腸やメンタル面にも良い影響を与えるというから驚きだ。

こうした呼吸法はヨガや太極拳などでも行われているが、最近はパフォーマンス向上のためにスポーツ選手も多く取り入れているという。

コロナ禍で注目が集まった肺だが、肺炎予防だけでなく今後の健康維持のためにも取り入れたい誰でもできる簡単トレーニングだ。

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