Self-improvement 自分磨き
「ネンネンコロリ」より「ピンピンコロリ」PPKプロジェクト
●帯状疱疹
激痛が続く「帯状疱疹」
有効対策は、ズバリ
ワクチン接種
ダンディズム 2021.11.01
最近「帯状疱疹」への注意を促すテレビコマーシャルをよく目にする。若い時なら大事に至らないが、中高年で発症すると激しい神経痛が一生続くこともあり厄介な病と言える。
帯状疱疹は水疱瘡と同じウイルスで起こる。水疱瘡にかかった人なら誰でも発症する可能性があり、80歳までに約3人に1人が発症するといわれている。からだの左右どちらかのみに発症するのが特徴で、発症部位は上半身や顔面、眼の周囲が多い。若い世代でも発症するが、抵抗力が弱まった中高年よりは症状は軽い。
一般的な初期症状はからだに感じる神経痛に似た痛みで、その後痛み周辺の神経に沿って帯状の赤い斑点が現れる。この時に感じるピリピリと刺すような痛みは強烈で、ひどい時には夜も眠れないほどの激しさだ。赤い発疹は数日で水ぶくれとなり、それが破れて乾き始めると痛みも少しずつ治まっていく。
発症から痛みが治まるまでは2~3週間ほどだが、皮膚症状が強かったり激痛が長びくと神経の損傷も激しくなる。このため皮膚症状が治まっても「帯状疱疹後神経痛」と言われる後遺症が残りやすい。50歳以上で帯状疱疹を発症した人の約2割にこの後遺症が残りヒリヒリと焼けるような、ズキンズキンと響くような激しい痛みが長く続くと言う。
さらに気を付けなければならないのが顔面の帯状疱疹による合併症だ。目の合併症では角膜炎・結膜炎・ぶどう膜炎などで、重症化すると視力低下や失明に至ることもある。また耳の合併症には難聴、顔面神経麻痺などと深刻だ。このため顔面の場合は入院治療が必要になることが多い。
後遺症や合併症を引き起こさないためには、ウイルスの増殖をできる限り抑えること。からだのどこかに痛みを感じ、その後赤い発疹が出てきたら一刻も早く皮膚科か内科を受診して治療を始めることが重要だ。特に帯状疱疹用の抗ウイルス剤は発疹が出始めてから3日以内に飲み始めないと効果が出にくく、遅れてしまうと重症化しやすくなる。
こうした基本的治療に加え「神経ブロック注射」「鍼灸」なども選択肢にあげられる。いずれも帯状疱疹後神経痛に効果が高いことで知られているが、発症直後に治療することで興奮した神経を鎮め、症状を長引かせない効果も期待できるという。但し、帯状疱疹後神経痛にのみ対応しているクリニックや鍼灸院も多く、対応が分かれているのが現状だ。
だがこれらの治療はあくまでも対処療法。できる限り罹患しないためにも50歳以上を対象にしたワクチン接種がおすすめだ。現状では自費扱いだが、罹患した際の治療費や後遺症の治療費と比べれば高いとは言えない。ワクチン接種をしても罹患しないわけではないが、他のワクチン同様症状を軽くすることは可能だという。
激しい痛みに長く苦しめられないためにも、有効な対策はとっておきたい。