Self-improvement 自分磨き

「ネンネンコロリ」より「ピンピンコロリ」PPKプロジェクト
●卵とコレステロール
中高年こそ
毎日卵を食べるべき
その理由は?

ダンディズム 2021.09.02

「コレステロールが高ければ卵をひかえる」というのは過去の話。プロテインスコアが100点満点と栄養価が最も高い卵は、むしろ毎日積極的に摂取したい食品のひとつだ。

厚生労働省は平成27年版「日本人の食事摂取基準」から、それまで定めていたコレステロールの摂取基準を廃止。健康のためにはコレステロールの合成を促す成分を避けるべきで、卵に限らずコレステロールを多く含む食品の摂取を制限する必要がないことがわかったからだ。

もそもコレステロールの合成を促すのは「飽和脂肪酸」で、卵一個に含まれている脂質約5gの半分以上はコレステロールの合成を促さない「不飽和脂肪酸」。つまり健康であれば卵を1日2〜3個食べても血液中のコレステロール値が上がることはない。

卵以外の食品で不飽和脂肪酸が含まれているのは、イカ・タコ・イクラや、魚に含まれるEPAとDHA、オリーブ油や紅花油などの植物性油など。逆にコレステロール値の上昇につながる飽和脂肪酸が多く含まれているのが、牛肉や豚肉の脂や乳製品、さらにパン・ケーキ・ハンバーガー・フライドポテト・スナック菓子・チョコレート・インスタント麵などだ。

但し飽和脂肪酸を極端に避けると、日本人は脳出血が起きやすくなるということがわかっている。食べすぎは禁物だが適切な量の摂取は必要で、結局バランスの良い食生活が有効だ。

さらに卵は他の動物性食品に比べ「プロテインスコア」が100と極めて栄養価が高い。プロテインスコアとは蛋白栄養価を表す指数で、体内で作ることのできない8種類の必須アミノ酸をバランスよく含んでいるかどうかで決まる。つまり卵は必須アミノ酸の組成が理想的な食品と言える。

また卵の黄身に多くに含まれる「レシチン」は神経細胞に多く存在する物質で、神経伝達物質のアセチルコリンの原料となる。アセチルコリンは脳機能の活性化につながり、不足すると記憶障害やアルツハイマー病等の脳血管障害の原因となることもある。集中力が散漫になったり重要なことを忘れてしまう、などの症状が気になり始めたら認知症予防のためにも卵の摂取は効果的と言える。

さらにレシチンは余分な悪玉コレステロールが血管壁に溜まるのを防ぎ、血液中のコレステロールの量をコントロールするほか、善玉コレステロールを増やす働きもある。実際 レシチンは動脈硬化の予防薬の主成分としても使われており、卵アレルギーさえなければ卵の摂取は善玉コレステロールの上昇に有効なのだ。

卵は子どもから高齢者まで栄養不足を改善してくれる手軽で安価なスーパーフード。一日2~3個の卵を食べても問題はないことがわかったが、これはあくまでも健康な人の話。脂質異常症の人はかかりつけ医と相談の上で摂取量を決めることをおすすめする。

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