Self-improvement 自分磨き
「ネンネンコロリ」より「ピンピンコロリ」PPKプロジェクト
健康長寿の切り札「腸内細菌」
大切なのは善玉菌の量と菌の多様性
ダンディズム 2020.04.03
ここ数年で健康と深い関わりがあることがわかってきた「腸内細菌」。その種類はあまりに膨大でどの菌がどんな役割を果たすかまでは解明されていない。ただ腸内細菌を多様化して維持することが健康長寿につながるのは確かなようだ。
最近の研究によるとすこぶる健康な高齢者の腸内細菌は健康な30代のものとあまり変わらないということ。
もともと健康だから腸内環境が良いのか、健康的なライフスタイルと食事のおかげで良い腸内環境になったのかはわからないが、腸内細菌の種類の偏りがパーキンソン病、肥満、糖尿病、うつ病、自閉症などのさまざまな病気に関連し、腸内細菌を整えればこれらの病気を改善できることもあるという。腸は「第二の脳」と呼ばれるように腸内細菌の多様性が心とからだに影響し、それが健康長寿につながるのだ。循環器系においては高すぎないコレステロールや中性脂肪が健康への指標になっているが、今後は腸内細菌の多様性も同じように認識されるかもしれない。
すでに治療の一環として腸内細菌の移植を行う病院も増えているが、日常的に腸内細菌の量と種類を増やすにはどうすれば良いのだろうか。
代表的な腸内細菌は消化吸収の補助や免疫刺激など、健康維持や老化防止などへ影響があるビフィズス菌や乳酸菌などの「善玉菌」、からだに悪い影響を及ぼすとされる「悪玉菌」、健康なときはおとなしくしているがからだが弱ったりすると腸内で悪い働きをする「日和見菌」などに分類される。
健康長寿を目指すにはこの「善玉菌」を増やせばよいのだが、それには善玉菌のエサになる「水溶性食物繊維」を摂取するのが効果的だ。水溶性食物繊維が多く含まれているのは海藻、大麦などの全粒穀物、根菜類、豆類、イモ類、キノコ類など昔から日本にある身近なもの。どこででも買えるものばかりなので日常的な摂取を心掛けたい。
また腸に良いとされる食品の代表といえばヨーグルトだが、ヨーグルトの菌は食べるのをやめると腸内からいなくなる「通過菌」しかいないので、もともと腸内にいる「常在菌」とは性質が異なるという。それなら食べても意味がなさそうだが、通過菌は腸内を通過しながら常在菌を助ける作用があることがわかってきた。毎日ヨーグルトを摂取することをすすめられるのはこのためだ。
善玉菌のエサとなる水溶性食物繊維と善玉菌を助けるヨーグルト。腸内は加齢とともに悪玉菌の割合が増すので、これらを毎日摂取して腸内環境を整え、加齢のスピードをゆるやかにしつつ病気にかかりにくいからだづくりを目指したい。