Self-improvement 自分磨き

ファッション業界の大問題
ジーンズの大量生産が水資源を枯渇させる?!

ダンディズム 2019.06.13

「ジーンズ1本を生産する際に必要な水は数千リットルにのぼる」
2018年の国連の警告はファッション業界に衝撃を与えた。しかも環境にこれほどの負荷をかけているにもかかわらずジーンズの需要は増え続けており、早急の対策が求められる。

国連が発表した「失われる数千リットルの水」の内訳は、ジーンズ1本分の綿花栽培とデニム生地の製造過程やジーンズのダメージ感を出す際に使われる水量をあわせたもの。

もともとはアメリカで作業着として誕生したデニムだが、耐久性やはきやすさから世代を超え世界中で愛されるファッションのマストアイテムとなった。しかし今後さらに愛用者が増えるとなると水資源問題は深刻だ。

水資源の枯渇だけでなく監視が甘い地域では染色と洗浄に使用される有毒化学物質がそのまま川に排出されることもあり、環境破壊につながるケースも多い。

またファストファッションが世界で台頭することで多くの洋服が短いサイクルで買い替えられるようになり、ジーンズも例外ではなくなったことも環境破壊の一因となっている。

そんななか世界ブランド「ユニクロ」を有するファーストリテイリングでは、こうした危機的状況に着目。「サステナブルなジーンズづくり」を目指すジーンズ研究開発施設「ジーンズ・イノベーション・センター」を米国・ロサンゼルスに開設。世界中からジーンズの専門家を集め環境に負荷をかけにくい新ジーンズの開発に取り組んでいる。

新技術で注目なのがジーンズ色落ち加工に「レーザー」を導入したこと。これまではやすりで削っていたが、レーザーにすることで使用する水の量を削減。さらにナノバブル・オゾン洗浄機の設備などを導入することで水の全体の使用量は最大で99%、平均でも90%以上の削減に成功している。

さらに最近のトレンドであるユーズド感を出すために使っていた天然の軽石を人工石「エコストーン」に変更。これは半永久的に使えるだけでなくウォッシュ加工時の排水に含まれる軽石の成分も削減する。さらにコットン生産の契約農家は水の適正な使用や殺虫剤などの農薬の使用方法を教育する「ベター・コットン・イニシアティブ」(BCI)に加盟していて、水の削減と環境への負荷の軽減に取り組んでいる。

同社では2020年までに生産するユニクロの全ジーンズを新技術で生産すると発表しているが、「リーバイス」といった他のメーカーでもレーザーによるジーンズ加工をすでに始めている。

大量生産、大量廃棄が問題視されるファストファッション業界において、今後はサステナブルな商品開発を目指す企業に注目し、購入時の選択肢に加えることも重要だ。

UNIQLO Sustainability
https://www.uniqlo.com/jp/sustainability/product/special/jeans/

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