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葬儀ではなく「お別れの会」
故人を見送る自由なかたちとは?

ダンディズム 2019.04.25

有名人が亡くなった時にたびたび流れる「お別れの会」のニュース。かつては通夜と告別式からなる葬儀が一般だったが、最近は宗教色のないお別れの会が増えている。我々にとってなじみ深いのは葬儀だが、お別れの会とどう違うのだろうか?

葬儀を家族や親族だけの少人数で行う家族葬や、葬儀も何も行わないゼロ葬を選択する人が増えている。家族葬やゼロ葬にする理由はさまざまだが、こうした身内だけの葬儀後に友人や知人を招いて行うのがお別れの会で、亡くなった後2週間から四十九日の法要までの間に行われる。一周忌近くになるとお別れ会ではなく「偲ぶ会」と位置付けられている。

お別れの会の最大の特長は宗教をベースにした葬儀とは異なり、故人との別れをシンプルに行うことにある。信仰している宗教によっては葬儀に参加できないこともあるが、お別れの会なら誰でも参加可能だ。さらにお別れの会は事前告知なので、葬儀よりも都合をつけやすいというメリットもある。

またお別れの会を主催するのは遺族以外に知人、友人、会社などでも可能で、宗教による制約がないぶん進行や演出の自由度も増す。場所をホテルや貸会議室などにすれば、故人が好きだった花を飾ることもできるし、生前の姿の映像に好きだったBGMを流しながらビュッフェスタイルの会食をしたりと、思い思いのプランニングが可能だ。もちろん葬儀場でもお別れの会に対応しているので、主催者が宗教的な要素をプラスしたい場合はこちらを選択することになる。

お別れの会は主催者が案内状を送って知人を招待するのが一般的なので、参列する際の服装や香典などの情報を事前に確認できる。例えば「平服でお越しください」とあれば、控えめな色のスーツやワンピースなどで参列すればいいし、「香典辞退」とあればそれに従えばいい。「香典辞退」の記載がない場合は通常の香典袋に「御霊前」「お花料」などと書いて持参するが、お別れの会は会費制の場合も多いのでその際は案内状に記載している金額を白無地の封筒などに入れて持参する。

一般的な葬儀は慌ただしく行われるため、故人とゆっくりお別れする時間を持ちにくいが、後日お別れの会を開催すると決めておけば故人とのより濃密な時間を過ごすことができる。

送る人送られる人の希望によって、今後ますます葬儀の在り方が変化しそうだ。

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