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先進医療
金の有無で寿命が決まる?
そう思わせる高額な「先進医療」とはそもそもどんな医療?

ダンディズム 2018.06.04

大学病院や研究機関などでは常に最新医療技術の開発が進められているが、その安全性や治療効果が確認され、今後公的保険診療への導入が検討されている医療技術を「先進医療」と呼ぶ。しかし公的医療保険の対象にならなければその費用はすべて患者負担で、時にそれは莫大になる。

先進医療でよく話題になるのが陽子線治療や重量子線治療だが、先進医療の種類は実際には非常に多く、平成30年3月1日現在で103種類。少し身近なところでは、白内障手術の際に行われる多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術も先進医療のひとつに認められている。

先進医療は厚生労働大臣によって定められ、医療技術ごとに適応症(対象となる病気・ケガ・それらの症状)や実施医療機関が限定されている。またその内容は随時見直されており、この間まで適用外だった先進医療が健康保険の適用になる場合もある。もし不幸にも先進医療が必要になった際には、厚生労働省のウェブサイトで最新情報をチェックしておこう。(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/sensiniryo/)

実際にかかる先進医療の費用だが、例えば重粒子線治療の一件当たりの費用は約315万円、陽子線治療は約276万円と驚くほど高額だ。もちろんすべての先進医療がこれほど高額でというわけではなく、多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術なら約58万円ほど。しかし、単焦点眼内レンズ挿入を保険適用の日帰り白内障手術で行った場合1割負担の人で片眼約15,000円、両眼で約3,0000円なので、それと比べるといかに高額なのかがよくわかる。医療の平等さにおいては世界有数の日本だが、より高度な医療を受けるには残念ながら金がかかるのが現状だ。悲しいかな日本でも「金で命が買える(かも知れない)」時代が訪れているようだ。

しかし先進医療を利用する場合でも保険診療に含まれる診察・検査・投薬・入院などにかかる医療費については健康保険が適用されるので、ここは少し安心材料と言える。

最近では多くの保険会社が月々100円程度の負担で先進医療特約をつけたり、先進医療だけに特化した保険などを販売しているが、実際に先進医療の対象となる患者はほんの一握りだとか。保険でどこまでカバーすべきか、悩ましい問題と言える。

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