Self-improvement 自分磨き

死はいつ訪れるかわからない…
家族と自分を守るために
「デジタル遺品」について知っておこう

ダンディズム 2017.10.03

カタチのない遺品が「デジタル遺品」。故人のスマホやパソコン上に遺された写真や日記などのデータと言えばわかりやすいだろう。さらに故人がネットで銀行取引や投資をしていた場合、そこに遺された金はデジタル遺品となる。こちらは遺品と言うより遺産なので、遺族に何も知らせていなかった場合相続問題に発展することもある。
死はいつ訪れるかわからないもの。万が一に備えてデジタル遺品と向き合っておいたほうが良さそうだ。

デジタル遺品のなかで特に注意すべきがネットバンキングの口座や株取引などの口座に遺された金。遺産分割協議後にこれらの資産が発覚すると、遺産分割協議のやり直しが必要になる場合もあり、相続争いに発展することもある。さらに故人がFXなどで損をしていた場合遺産の分割後に多額の借金が発覚し、額によっては相続放棄をしておけば良かったと後悔することも…。お金にかかわるデジタル遺品は「遺産」であると認識し、遺族に負担をかけないよう気をつけなければならない。

さらにハードディスクやCD、USBに記録された写真、文章、音楽などのデータでも、その内容次第ではトラブルになるので注意が必要だ。最近も芸能人の写真データが流出して騒ぎとなったが、パソコンに保存しておけば大丈夫といわけではない。しかも、それが自分の死後となると言い訳もできず名誉の回復も不可能となる。また故人がパスワードなどでファイルにロックをかけていたら、遺族は故人の思い出に浸ることもできなくなるのでこれも問題だ。

また故人がフェイスブックやインスタグラムなどのSNSをしていたりブログを開設していた場合、悪意のある第三者がそれを乗っ取って故人に成りすまし、嘘の情報を流したり犯罪の温床にするケースも増えている。とにかくネット社会で生きる以上、あらゆる事態を想定しておくことが重要だ。

そしてこうしたトラブルから自分のプライバシーと家族を守るためにはデジタルデータに関するメモを一覧表にして紙で保管するのがベスト。

例えば

  1. デジタル遺品になりうるデジタル機器やメディアの一覧
  2. スマホやPCのパスワード
  3. 使用しているSNSやブログなどのIDやパスワード
  4. インターネットバンキングや証券会社の口座情報とパスワード
  5. 使用しているスマホやプロバイダーなどの解約に必要な情報
  6. それぞれのデータをどう処理して欲しいか、など。

デジタル化の時代に逆行するようだが、このアナログな対策が最もシンプルでわかりやすい。また自分の死後に見られたくないデータは、残念だが廃棄しておくしか方法はない。最近は「PCデータの自動削除サービス」といって、PCを最後に起動した日から何日間か起動されないと自動的にパソコン内のファイルを削除するサービスも登場しているが、亡くなった直後に遺族がPCを起動すれば削除はされないので完璧ではない。

家族は上記のメモをもとにデジタル遺品の処理を行うが、銀行や株式の口座は死後の手続きが終わり、口座の凍結が解除されてから通常の処理を行うことになる。また、SNSやブログでは、長期間にわたって更新がないと心配する人もいるかもしれないので、亡くなったことを告知した後にアカウントを削除すれば安心だ。

死はいつ訪れるかわからないもの。最近流行りのエンディングノートなどにデジタル遺品の項目をプラスし、その日に備えるのも一案だ。

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