Self-improvement 自分磨き
がむしゃらな筋トレでは遠回り?
効率のよい筋肉量アップには
回数・休息・栄養がポイント
ダンディズム 2017.09.04
何もしなければ年齢と共に減ってしまう筋肉。維持するには筋肉トレーニングが必須だが、頑張るだけではからだを痛めたり、逆に筋肉を減らしてしまうこともある。効率よく筋肉をつけるには、適度な運動と休息、そして筋肉が喜ぶ栄養を摂ることが大切だ。
筋肉量が多いと足腰が丈夫になるだけでなく、さまざまな健康効果があることがわかってきた。筋肉が多いと保持する水分量も多くなるので熱中症になりにくく、熱量が増えるので冷え性になりにくい。さらには筋肉が生み出すホルモンが認知症や糖尿病を予防し、「グルタミン」という物質がリンパ球を増やし免疫力をアップ。しかも、こうした健康効果を得るための筋トレは、それほど激しく辛いものでなくても充分だと言われている。
例えばジムのマシンを使う場合「なんとか10回できるくらいの負荷」をかけてゆっくりとからだを動かし、さらに余裕があればやや素早い動きでもう10回。たったこれだけで無理なく筋肉量がアップするという。ジムに行かない人なら、適当な重さのダンベルや水を入れたペットボトルなどで負荷をかけたスクワットなどでOKだ。
そして筋トレに加えて重要なのが「超回復」と「栄養補給」。超回復とは運動後24~48時間程の休息を取ることでより強い筋肉に修復されること。我々が鍛えるのは骨格筋と言われる筋肉だが、これを構成する細い糸のようなタンパク質は筋トレによって一旦破壊されてしまう。しかし人間には壊れた組織を治そうとする力が備わっており、筋肉がよりパワーアップして修復されるというわけだ。ところがこの超回復を無視して次の筋トレをすると筋肉が逆に弱ってしまうので、筋トレは1日おきくらいがベスト。毎日鍛える場合は鍛える部位を日替わりにするといい。
さらに筋肉が修復する時に必要なのが「栄養補給」。なかでも重要なのが「タンパク質・糖質・アミノ酸」だ。スポーツ後のタンパク質が筋肉量アップに有効なのことは良く知られているが、糖質も一緒に摂ることでタンパク質が筋肉に入って行きやすくなり、効率的に筋肉量がアップする。この時の目安は砂糖なら10~15グラム程度で、ジュースなら一杯、プリンなら一つ程度が目安。血糖値が気になる場合は昼食や夕食の前にトレーニングをして、ごはんなどの炭水化物で糖質を摂取するといい。
最後に最近注目され始めたの「ロイシン」というがアミノ酸の一種。BCAA(分岐鎖アミノ酸)のひとつで膵臓からのインスリン分泌を促進し、インスリンによる筋たんぱく質の合成作用を増大する栄養素だ。ロイシンは肉類・魚・乳製品・卵・大豆などに含まれていて、筋肉量アップのためには朝昼晩2gずつのロイシンの摂取が目安。ちなみにコップ一杯の牛乳に含まれるロイシンは0.6gで、スポーツ後に飲めばタンパク質も一緒に摂れるので便利だ。また必要な栄養素が入った栄養補助食品も大手食品メーカーから販売されているので、成分表示を見比べた上で自分に合ったものを選ぶこともできる。スポーツ後と言えば水に溶かして飲むプロテイン飲料が広く知られているが、最近は水に溶かす必要のないスティックタイプもあり、さまざまな栄養素が一度に摂れるよう工夫されている。