Self-improvement 自分磨き
求められるボスの意識変革
目指せ!イクボス
ダンディズム 2015.11.13
プライベートより仕事が大事」そんな古い考えに縛られた日本ではワークライフバランスは常にアンバランス。その結果プライベートが充実せず、それが社会の疲弊原因にもなっている。
そんななかNPO法人ファザーリングジャパン(FJ)がスタートしたのが、「イクボスプロジェクト」(http://fathering.jp/ikuboss)。FJではもともと「父親になっても仕事と育児を両立して人生を楽しみたい」と考える現代の父親達(=イクメン)を支援しようと発足したのだが、そのためにはまず古い考えに縛られた管理職の意識変革が不可欠。そこでイクボスプロジェクトを立ち上げたのだ。
FJでは「イクボスとは職場で共に働く部下・スタッフのワークライフバランス(仕事と生活の両立)を考え、その人のキャリアと人生を応援しながら、組織の業績も結果を出しつつ、自らも仕事と私生活を楽しむことができる上司(経営者・管理職)のことを指します(対象は男性管理職に限らず、増えるであろう女性管理職も)」とし、「イクボス10カ条」(下記参照)なるものも掲げ、企業に向けてさまざまな働きかけを行っている。
「しかし、仕事はそんなに甘いものじゃないだろ!」と管理職の声が聞こえてきそうだが、ワークライフバランスへの無理解が、現代の少子化や介護離職などの社会問題につながっているのは明らか。特に介護離職は現役の「ボス」にとっても無関係とは言えないのが現状だ。
イクボス10カ条(ファザーリングジャパンより)
1. 理解
現代の子育て事情を理解し、部下がライフ(育児)に時間を割くことに、理解を示していること。
2. ダイバーシティ
ライフに時間を割いている部下を、差別(冷遇)せず、ダイバーシティな経営をしていること。
3. 知識
ライフのための社内制度(育休制度など)や法律(労基法など)を、知っていること。
4. 組織浸透
管轄している組織(例えば部長なら部)全体に、ライフを軽視せず積極的に時間を割くことを推奨し広めていること。
5. 配慮
家族を伴う転勤や単身赴任など、部下のライフに「大きく」影響を及ぼす人事については、最大限の配慮をしていること。
6. 業務
育休取得者などが出ても、組織内の業務が滞りなく進むために、組織内の情報共有作り、チームワークの醸成、モバイルやクラウド化など、可能な手段を講じていること。
7. 時間捻出
部下がライフの時間を取りやすいよう、会議の削減、書類の削減、意思決定の迅速化、裁量型体制などを進めていること。
8. 提言
ボスからみた上司や人事部などに対し、部下のライフを重視した経営をするよう、提言していること。
9. 有言実行
イクボスのいる組織や企業は、業績も向上するということを実証し、社会に広める努力をしていること。
10. 塊より始めよ
ボス自ら、ワークライフバランスを重視し、人生を楽しんでいること。
*5つ以上でイクボス